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【口から血が出るくらいの「堅焼き」が好き!】

〜ホンモノが滅びる「影」に「強烈な」お客様さま〜

先日、東京の吉祥寺駅の駅ビルで実演&セミナーをやってきました。
最近「体験型」セミナーの依頼が増えており、店主 敬太も、できる限り現地に出向いて、米菓やお米の話をしたり、みなさんの感想等を聞かせてもったりしています。

今回は「あなたも、おかき・あられが焼ける」というサブタイトルだったので(実際は、駅ビル側の諸々の制約で、当社スタッフがおかきを揚げるのを)「自分でおかきが焼きたいほど」のおかき好きが集まりました。(そのワケは後でお話しします)

おかき好きの共通点

おかきが「三度のメシ」より好き、というか、三度のメシの間に必ず食べる、という人の共通点は「堅いのが好き」ということです。実際、当店に初めておいでになる方は「美味しい堅焼きがあると聞いてきた」というお客様は「無添加・有機認定のお菓子が沢山あるから来た」というお客様と同じくらい多いんです。

近年、いろいろなお菓子が増え、「あれ」が食べたいけどお店にないから「こっち」でいいか、という選択の幅が拡がっています。やわらかお煎餅の代わりに、醤油味のポテトチップや小麦粉のえびせんなど価格の安いものをたくさん出回っており、困ることもなくなりました。

「売れないからやめる」が「二度と作れない」を生む

噛む回数が少なくなった現代日本人にとって、堅いおかきは、確かに時代に逆行しています。大手製菓メーカーが開発した、安くてやわらかい辛いお菓子が「新発売」で店頭に並ぶので「堅い円いおかき」や「げんこつ焼き」が百貨店・スーパー・コンビニの店頭からなくなって随分久しくなりました。

堅焼きは、専門店でしか見られなくなりましたが、昨年、某大手有名米菓和菓子店もついに「げんこつ焼」の販売をやめることになりました。売上をのばすために「やわらかい和菓子」に力を入れるからですが、そのあおりで、数少ない「堅焼き」メーカーが、またひとつなくなります。腕の良い職人が「技術を継承」することなく「二度と作れない」商品がまたひとつ増えるのです。

実は、堅焼きは、技術的に難しい商品です。簡単に言うと、げんこつのような「ゴロっと」した形状の場合、中の中心部まで火が通る前に、外側が焦げてしまう、という状態が常に起きるのです。

冒頭のセミナーでは、それを知ったお客様が「げんこつ焼きが二度と食べられなくなる。こうなったら自分で作るしかない」と思い至って参加された方がいたくらい、実は「堅い」お客様がいるのが「堅焼き」「げんこつ」でもあるのです。当店でも、数は作れませんが、実は、いつも職人の手が足りない状況なんです。

お店からなくなっても、探し続けて当店までたどり着くお客さま。ついには「自分で作ろう」と思い立つお客さま。「堅焼き」好き、「おかき」好きのお客さまの「強烈さ」はにはいつも驚かされます。

多くの方が、やわらか志向に流れる現在は「いつも一定の味・食感」が求められる時代でもあります。しかし「堅焼き」を、いつも一定に仕上げるのは難しいのです。いえ、技術的には進歩しているので「一定の規格」はできるのですが、大切なものが失われるのです。

あられ・おかきは、原料がお餅ですので一つ一つが、それぞれの「ふくらみ方」をします。それを(型などに入れたり、ふくらみを抑えたりせずに)活かすのが「美味しく」焼きあげる基本なのです。

ある「堅焼き」が大好きなお客さまは、まとめ買いする「円いおかき」をレジに並べて、これは焼きが弱い、これはやや強い、ふくらみが出ている、、、などと品評を始めます。そして、焼き具合や焦げ目のつき方などを自分の好みの順番に並べます。結局全部お買い上げになるのですが、それらを「どの順番で食べるか」まで考えて楽しんでいるのです。

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