あられ屋とせんべい屋の違い(初ブログ)
「お前は、あられ屋の息子だ!せんべい屋の呼ばれても返事すんじゃねえぞ!」と、
私は祖父(初代店主:故人)から良く言われました。
別に、せんべい屋さんと仲が悪かったわけじゃないんですが。皆さんは、あられとお煎餅の
違いをご存知ですか?直径10センチくらいで円く大きいのがせんべい、細かい粒状のものがあられ、、、
ではないんですね。あられは「もち米」からできていて、おせんべいは「うるち米(コシヒカリなどの
いわゆる"ごはん"米)」からできています。
そして、作り方も全然違います。あられは、お餅をついて数日乾かして堅くしたもの
(堅くなりかけた鏡餅の状態に近いです)を切り、それを焼いたり揚げたりします。
おせんべいは、うるち米を粉にして、水でこねて板状に延ばし、それをくり抜いて生地を
作ります。あられ生地より堅いく日持ちもします。
あられの生地は、非常にデリケートで、乾燥しすぎると上手な職人が焼いてもボロボロと
割れてしまいます。ですから、生地の状態を見極めて焼いたり揚げたりしないといけません。
そうなりますと、自分で餅つきをして自分で乾燥して自分で焼いて、、、と「あられ屋」は
一貫製造するようになります。お煎餅は、生地は日持ちもしますので、専門メーカーに
作らせて、買ってきたものを軒先で焼けば「せんべい屋」になります。
祖父は、お金をかけて土地や機械を買って一貫製造するあられ屋は「大変だ」という気持ちや、
もち米はうるち米より高価な上、お供え物に使われるから「有難いものだ」という意識が
強かったんだと思います。
当社は精華堂"あられ"総本舗という社名です。社名を名乗る時、いつも祖父を思い出します。
ところで、あられとおかきの違いってご存知ですか??? それは次回にでも。