DX推進方針(1/4)

株式会社精華堂霰総本舗 DX推進方針 (1/4)

制定日:2026年7月1日
代表取締役承認日:2026年7月1日

01. DX推進に向けた経営ビジョン

株式会社精華堂霰総本舗は、国産有機もち米をはじめとする厳選した原材料と、創業以来培ってきた米菓製造の技術を生かし、安全で品質の高い商品をお客様に提供してきました。

一方、食品製造業を取り巻く環境は大きく変化しています。原材料費や物流費の上昇、人手不足、消費者ニーズの多様化に加え、食品表示、品質管理及び商品の追跡可能性に対する社会的な要求も高まっています。また、百貨店、生協、自然食スーパー、EC、OEMなど、販売経路ごとに商品仕様や生産数量が異なるため、多品種小ロットの生産に安定して対応できる体制が一層重要になっています。

当社は、このような環境変化に対応し、長年培ってきた製造技術と品質へのこだわりを次の世代へ継承するため、DXを推進します。

当社におけるDXとは、単に新しい機械やシステムを導入することではありません。製造、品質管理、受注、在庫、出荷及び販売に関する情報をデータとして蓄積し、部門を越えて活用することにより、業務及び経営の仕組みを継続的に変革していく取組です。

当社が目指す姿は、熟練者の経験と蓄積したデータを組み合わせることにより、商品の品質を安定させ、異常や不具合を未然に防ぎ、必要な商品を必要な時期に安定して供給できる食品メーカーです。

データ及びデジタル技術を活用し、次の三つを実現します。

第一に、製造条件、検査結果、不良及び手直しに関する情報を蓄積し、品質のばらつきや不具合の原因を継続的に分析できる体制を構築します。
第二に、受注、在庫、生産計画及び出荷に関する情報を連携させ、欠品、過剰在庫、生産の遅れ及び確認作業を削減します。
第三に、EC、OEM及び既存取引先から得られる販売情報や顧客の声を商品開発と生産計画に反映し、市場の変化に柔軟に対応できる事業体制を構築します。

これらの取組を通じて、当社は、伝統的な米菓製造の価値を守りながら、品質向上と安定供給を両立し、お客様から継続的に信頼される企業を目指します。

1-1. ビジネスモデルの方向性

当社は、製造、品質管理、受注、在庫、出荷及び販売に関するデータを部門横断で連携し、多品種小ロットの米菓を、品質を維持しながら需要に応じて安定供給する事業運営へ転換します。

また、EC、OEM及び既存取引先から得られる顧客の反応や販売データを、製造実績及び品質データと照合し、既存商品の改善、新商品開発及び生産計画へ継続的に反映します。

これにより、担当者の経験だけに依存せず、顧客需要と製造能力の双方に基づいて、商品と供給体制を継続的に改善する事業モデルを構築します。

02. 経営ビジョンを実現するためのDX戦略

当社は、品質向上と安定供給をDX推進の中心的な目的とし、次の三つの領域を段階的に変革します。

2-1. 製造・包装・品質管理のデータ化

製造工程、包装工程、表示工程及び検査工程で発生する情報を、紙や担当者個人の記録だけに依存せず、継続的に蓄積し、分析できる状態にします。

具体的には、商品、製造日、原材料ロット、製造数量、製造条件、包装条件、検査結果、不良内容、手直し内容及び廃棄数量などの記録項目を整理します。記録方法を統一し、商品別、工程別及び発生原因別に品質状況を把握できる仕組みを整備します。

包装不良、印字不良、ラベルの貼付間違い、賞味期限表示の誤りなどについては、発生件数だけでなく、発生した商品、時間帯、設備、作業条件及び原因を記録します。これらの情報を定期的に分析し、設備設定、作業手順、検査方法及び教育内容の改善に活用します。

包装機、印字機及びラベル貼付装置等の活用により、包装と表示の作業を標準化します。設備による自動化と作業記録のデータ化を組み合わせることで、目視確認や担当者の経験だけに依存しない品質管理体制を構築します。

また、検査結果と製造ロットを関連付けることで、品質上の問題が発生した場合に、対象となる商品、原材料、製造時期及び出荷先を迅速に確認できる状態を目指します。

2-2. 受注・在庫・生産・出荷情報の連携

当社では、現在、kintoneを基盤として構築した社内管理システムを利用しています。今後は、このシステムを受注、在庫、生産、品質及び出荷に関する情報共有の中核として活用します。

東京本社、宮城工場及び営業担当者が保有する情報について、kintone上で管理している情報、表計算ファイルで管理している情報及び紙で記録している情報を整理します。重複入力、転記及び担当者ごとの個別管理が発生している業務を特定し、優先順位を付けてkintone上での管理に移行します。

商品名、商品番号、原材料、包装資材、取引先、製造ロット及び納期などの基礎情報について、部門ごとに異なる名称や形式が使用されていないかを確認し、共通の管理ルールを定めます。

受注情報と製品在庫、原材料在庫、包装資材在庫及び生産予定を関連付けることで、欠品、資材不足及び納期遅延の可能性を早期に把握します。また、生産計画の変更内容と納期への影響を、本社と工場の関係者が共通して確認できる状態を整備します。

ECについては、現在、顧客管理システムを利用していますが、kintoneを基盤とする社内管理システムとは連携していません。

今後は、まず両システムの商品コード、顧客区分、受注日、商品別売上及び購入回数などのデータ項目を整理します。その上で、ECの受注・販売データを定期的に社内管理システムへ取り込み、商品別、時期別及び顧客区分別に分析できる状態を構築します。

システム間の自動連携については、データ量、作業削減効果、導入費用及び保守負担を確認した上で判断します。当面は、既存システムを有効活用しながら、無理のない方法でデータの共有と分析を進めます。

2-3. 販売・OEM・商品開発へのデータ活用

ECの顧客管理システムに蓄積された購買履歴、商品別売上、購入時期、購入頻度及び顧客から寄せられた意見を整理し、商品開発及び販売施策に活用します。

ECの顧客情報については、個人情報の取扱いとアクセス権限に配慮した上で、必要な範囲の集計情報をkintoneを基盤とする社内管理システムへ取り込みます。これにより、販売実績と製造実績を照合し、需要の変化や商品の評価を生産計画に反映します。

OEMについては、問い合わせ内容、試作内容、見積条件、受注結果、製造条件及び納品後の評価を案件ごとに記録します。過去の案件を検索し、類似する商品、包装仕様及び製造条件を参照できる状態を整備します。

新商品については、試作品の評価、販売数量、購入者の反応、返品、問い合わせ及び製造時の不良情報を一体的に把握します。

販売結果と製造・品質情報を照合することで、顧客から評価される商品特性と、安定して製造できる条件を明らかにします。これにより、担当者個人の経験だけに依存せず、顧客情報と製造実績の双方に基づいて商品を開発・改良する体制へ移行します。